薬師信仰
七仏薬師像薬師信仰は、お薬師さまとして民間に人気がある薬師如来に祈念する事を云います。
古代インドから盛んに祈られてきた仏様です。
日本に伝わったのは、古く飛鳥時代頃にはすでに病気平癒の祈祷がなされていました。
初めは、貴族仏教の中にあって庶民の知る所では無かったのですが、
全国に国分寺が建立されると多く薬師像が作られ人々の知る所となりました。
薬師如来は「その名を聞いただけでも病気を治す」あるいは「医者でも治す事が出来ない
難病の者でも私の名を唱える者には難病を除去しよう」と云うご請願があり、
これが多くの信仰を呼んだのです。
平安時代になると天台宗を開いた最澄と云う高僧が、比叡山根本中堂(ひえいざんこんぽんちゅうどう)の本尊に薬師如来を祀り朝廷の安泰と一切衆生の祈願を込められました。
後に山寺立石寺など多くの寺院を開いた慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)は、
天皇の病気を退散させるため七仏薬師法と云う特別な修法を行ったと伝えられております。
真言宗を開いた弘法大師も東寺に薬師如来を祀り祈願しましたし、薬師寺などの古い寺院も
やはり薬師如来の信仰ゆえ建立されたのでした。
江戸時代には入ると、織田信長によって破壊された比叡山を復興した天海僧正(てんかいそうじょう)によって徳川家康は東照大権現(とうしょうだいごんげん)として、
日光東照宮の奥深くに祀られましたが、「東照大権現とは、東を制し照らす者」の
意味もあり、薬師如来が東方瑠璃光浄土(とうほうるりこうじょうど)の教主である事など
薬師如来との密接な関係を表しております。
全国には薬師堂と呼ばれる建造物が数多くありますが、その数だけ人々に信仰されて
いたのではないでしょうか。
又、病気や難病に対しての恐れが多くの薬師信仰に結びついたとも言えますね。
薬師如来に祈るときは、「おん ころころ せんだりまとうぎ そわか」と真言を
唱えてください。